* 『SAI』でメイキング(応用編)・つづき *

(作業工程は こちら から。)


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C色塗り



では色を塗っていきましょう。
この辺りの流れは【基本編】とほぼ同じです。

まずはベース(下地)となる範囲に肌色を塗って、
この上に「色」フォルダをクリッピングしておきます。
(線画の時の「ベース色」レイヤーを地味に使い回します。びんぼーしょー)

進行具合に合わせて、背景の不透明度も徐々に上げていきます。

 

C-1:パーツごとに塗り分け

右図は現時点での、各レイヤーの状況(簡易版)です。
髪の色がはみ出しまくってますが(右上)、「色」フォルダごとクリッピングしてあるので無問題。
(ここから先、C-1〜3は、右のメニューで順番にクリックしていくと変化が分かりやすいです)

 

C-2:細部の描き込み・色変更 etc.

表情の描き込み・背景加筆。髪と服の上下、線画にも軽くグラデーション処理をしました。
(他の部分の変化が分かりやすいように、腕・ネックレス・鞄には敢えて手をつけずに進めます)

 

C-3:影・ハイライト

影を塗る時は、大まかな部分をざっと塗ったあとで
その形を意識しながら、拡大して細部を詰めていくのがコツです。

その後、用意した こういう画像を、影の部分にだけクリッピングしておきました。



要するにこんな感じです(一例)。

C-2でグラデーションをつけた
「服(ベース)」レイヤーに、
C-3でつけた「服_影」フォルダ(※)
がクリッピングされていますね。

※「服_影」フォルダ内で、さらに
影の部分だけに「斜線」が入るように
レイヤーがクリッピングしてあります。
(←赤枠の中がC-3で言った部分です)

…文字だと分かりにくいですね!!(汗)


これを、最初に作った「色」フォルダの中で
各パーツごとにやってる訳です。




大きめサイズで途中経過。(C-3 終了時点)

画像クリックで、C-2(影・ハイライトを付ける前)の状態も見られます。





■ 服の「透け」感を出してみよう ■



ここでせっかくなので、少しは講座っぽい事もやっておきます。

今回は右図のように、上の服をちょっとだけ透かして
イラストに、夏らしい「軽やか」「爽やか」なイメージを持たせてみましょう。


これも方法は色々ありますが、今回はベース(下地)レイヤーを一切いじらずに
「クリッピング」機能を活用して「透け」感を出す方法をご紹介いたします。

(ここからまたしばらく、説明しやすいよう青背景+線画と「服」色のみの表示になります)

現時点のレイヤー構造は、先ほどの こちら と同じです。

 

まずは新規レイヤーで、透けさせたい部分その@・服の下半分に、
グラデーションを掛ける感じで色(何色でもいいです)を付けます。

 

もうひとつ新規レイヤーを作成し、今度は
そのA・身体の外側にあたる部分に色をつけておきます。
こちらは境目をぼかさなくてもOKです。

先ほど非表示にしておいた「線画レイヤー」(統合前)がまだ残っている方は、
「身体」レイヤーを表示させながら作業するといいでしょう。


この@・Aは、まとめて1つのフォルダに入れて
それを「服(ベース)」レイヤーにクリッピングしておきます。



そしてここで「背景のみ」の画像を用意して、
フォルダ内の@・Aレイヤーに、それぞれクリッピングしていきます。

すると…


す… 透けたーーー!!!(茶番)

(@のみ表示・上の2枚は同一のものです)


…お分かりでしょうか?

ここでも「透けさせたい部分」を消すのではなく、
★「透けさせたい部分」に、上から背景と同じ画像をかぶせてしまう事で
見かけ上は「透けているように」見せていたんですね。逆転の発想です。


しかしこのままだと流石に透けすぎなので(笑)、
@レイヤーの不透明度を適度にいじって、調整しておきましょう。



Aにも同じように、背景画像をクリッピングします。

こちらでは「服と身体が重なっていない部分」にも「透け」感を出して、
逆説的に「服と身体が重なっている部分」を表現しています。


@Aの不透明度を下げ、いい感じに調整しておきました。
(影も多少いじりました)

左は透けさせる前の状態です。


調整した後で、最後にもう一押し。

線画レイヤー(統合前)の「白消し」で消した胴体の部分、ありましたよね。
そこの「服(ベース)」レイヤーと重なってる部分をコピペして、オーバーレイで表示。
服で隠れている部分のボディラインを、少しだけ強調させます。
(今回、統合前の「線画」レイヤーを残しておいたのは、ここで使うためでもありました)

右側クリックでひとつ前の状態へ。比べてみると分かりやすいかな。






大きめサイズで途中経過。(色塗り途中・服の「透け」処理後)

画像クリックで、透けさせる前の状態が出ます。少しは夏っぽくなったかしら。





…この図で伝わるかはさて置き(汗)、
現在のレイヤー構造です。カオス!


が今回追加したレイヤーで、
が説明にも出てきた、特に重要な部分です。
は無視してもらっても構いません)

よう分からん!って方も、とりあえず
のフォルダ見とけば大丈夫です。


「@・A」ファイルは名前の通りで、
フォルダ内の一番上にある
「ボディライン」っていうレイヤーが
最後に重ねた線画の部分ですね。


レイヤーがここまでゴチャゴチャする前に、
皆さんは適当なところで統合しましょう(笑)





オマケ:実際の使用例。
いずれも『GALLERY』にある過去絵より(コレコレ)。

手前に来るパーツを部分的に透けさせる事によって、
マントや羽根の質感・透明感を演出しています。

合わせて、線画にもグラデーションをかけるとより効果的に(左)。



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