* 『SAI』でメイキング(応用編)・つづき *

(作業工程は こちら から。)


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D仕上げ



さて。残りのパーツも塗り終えたところで、
(頭のハイライト調整、瞳・腕・鞄などの影描き込み)

ここから全体的な仕上げに入っていきますよー。



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仕上げ次第で、絵の印象はいくらでも変わるものです。
正解はありません。あとは自分の気が済むまで、調整を繰り返すだけです。

まずは大きめのサイズでざっと眺めて、気になるところを探してみましょう。



…何となく、塗りに対して「線が重たいかな?」という
感じがしたので、まずは主線の太さを調整していきます。



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■D-1:主線を細くする■


だいぶ荒っぽい方法ですが…

まずは★Ctrlキーを押しながら、線画レイヤーのサムネイルをクリック
線画全体が選択された状態になります。
(【基本編】の「文字入れ」・縁取りのところでも出てきた、便利なショートカットです)

そして「選択領域の反転」 ⇒ Deleteキー。


線画全体の周囲がざっくりと消えて、線が細くなりました。

画像クリックでひとつ手前の状態へ。


ついでに首周りが気になったので、ちょっぴり加筆します。

こちらも画像クリックでひとつ手前へ。






こうなりました。(クリックで調整前)
ちょっとは軽めの印象になったかな?

ネックレスの線は逆に太くなりましたが…;
三つ編みと耳・頬の辺りは、まだ変化が分かりやすいかも。




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■D-2:全体の光と影・色味を調整■


今回の背景は青いので、人物の(画面)右側を中心に
それによる照り返し(?)を乗せました。背景の下半分にも藍色を少し。
(レイヤーの合成方法などは、毎回様子を見ながら探っていきます。今回は『陰影』と『明暗』を使用)

右側の画像クリックで、ひとつ前の状態へ。


全体的な影・ハイライトの調整。
やってる事は【基本編】のコレとほぼ同じです。

ほとんど一緒に見えても、比べてみると案外変わってたりします(右側クリック)。




ここまでの途中経過。(クリックで調整前)

全体的に、だいぶ色が馴染んできたんじゃないでしょうか。



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■D-3:その他最終調整■


…さて、ここまでほとんど何もしていない背景ですが(笑)
より水彩画っぽくなるように、少しだけ手を加えておきます。

今回は背景だけ、筆の種類を「にじみ」設定にしたで描きました。
水彩画風なのにクレヨンとはこれ如何に

あとは用紙質感を「画用紙」にしたり、所々ぼかしてやったりするとそれっぽいです。




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最後の仕上げの前に、こんな画像を用意します。
現時点でのイラストを、そのまま全体的にぼかしたものです。ぼやーん。

但し『SAI』には、このように画面全体を、均等にぼかす機能は付いていないので
(『Pixia』とかだと付いてますよね)、ここでもちょっとした荒技を…


まずはイラストを「.bmp」などで保存し、それを『SAI』で開きます。
そして  → 「キャンバスの解像度変更」 で、
画像サイズを★「50%」⇒「200%」⇒「50%」⇒「200%」と、連続で変更

これで「ぼやーん」画像の完成です。

(数値や回数はお好みで。とにかく★「思い切り縮小して元のサイズに戻す」、を数回繰り返して下さい)




この「ぼやーん」を元画像の、レイヤーの一番上にコピペして
合成方法をいじる事で、イラスト全体の雰囲気が、こう、いい感じになる訳ですが(何)

実際どれぐらい変わるものなのか、まずは一例を見てみましょう。


(以下、同じような画像が、一気に6枚ほど並んで出てきます)



元画像 + 「ぼやーん」 = ???



(元画像+スクリーン35%)

(元画像+発光15%)

(元画像+オーバーレイ40%)

(元画像+明暗10%)


…違いが分かりましたか?
この辺りはもう、完全に描き手の自己満足でやってるようなもんなので
「大して変わらないな」と思って頂いても、それはそれで正解だと思いますw

ここで使用する合成方法は『スクリーン』『オーバーレイ』『発光』『明暗』などが多いですね。
画像だけでなく、柄物のテクスチャ素材なんかを重ねてみても面白いですよ。

但し、いずれも重ね過ぎると画面がギラギラしがちなので、加工はほどほどに。


あとはもう、思い切って夕日にしてみちゃったりとかね。
(突然の大幅イメージチェンジ)

…何だかこっちでもアリな気もしてきますが(汗)、今回は
「夏の青空」をイメージした絵にしたかったので、こちらは泣く泣くお蔵入り(?)ということで。


昼間に戻しまして。(時間操作)

熊猫の場合、元々の彩度が高めなのと、個人的に(絵にもよりますが)
あんまり加工に頼り過ぎるのも好みではないので、ここでの処理はいつも割と控えめです。

今回は周囲に『スクリーン』、人物(特に影の部分)に『オーバーレイ』といった感じで
部分的にかるく重ねてみました。(右側クリックでひとつ前へ)


お疲れ様でした。今回はこれにて完成です!!





E完成!!(原寸サイズもあるよ)


原寸(840*1150px)サイズは こちら から。(別窓)


さて、前回から実に2年越しのメイキング、如何だったでしょうか。
私はこの絵を描いてる最中とても楽しかった…んですが、その後に残された
このメイキングの編集作業は非常にしんどかったです。(自業自得でしかない)

「輝度を透明度に変換」機能とか、「透け」感のくだりとか、もうちょっと
上手く説明できたら良かったんですが…いまいち分かりづらかったらスイマセン。


もちろん、ここで紹介した方法以外にも、もっと面白い表現方法や
自分に合った描き方というものは、皆さんそれぞれにあると思いますので
これからのお絵描きライフにおいて、このメイキングが少しでも参考になれば幸いです。


以上、ここまでお付き合い頂きありがとうございました!!




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